- パンを分類する上で食パンは食事パンの総称としての造語である。そして、食パンというと主に角形食パンを指し、焼き型にフタを閉めて焼く。別名でプルマン形とも言われるが、この名前はアメリカの客車製造会社のプルマンの角形にちなんでつけられた名前。一方、フタをせずに焼くパンを山形食パンと呼ぶ。そして、販売単位では「斤」が使われる。包装食パンの1斤は340g以上とされており(包装食パンの表示に関する日本パン公正取引協議会の公正競争規約において義務化)標準的な食パン1本は3斤型が多い。
- コッペとはフランスパンのクッペが名前の由来。昭和10年に学校給食用に1個単位で配られるパンとして提供され普及した。配合は食パンに近似し、焼き型を使用せずにロール形状で焼く。コッペパンは調理パンとして具をサンドしたり、再加工では揚げパンが有名。
- カレーをパン生地で包み込み、パン粉を付けて油で揚げたパン。発祥は昭和2年「名花堂」が洋食パンとして作った。パン粉をつけて揚げたのはとんかつから発想したと言われている。昨今、揚げるほかに、オーブンで焼くタイプも考案されている。
- 明治2年、東京銀座の木村屋(当時は文英堂)創業者の木村安兵衛が考案したのが酒種あんパン。これに桜の花の塩漬けを添えて明治天皇に献上したのが桜あんパン。フィリングのあんには「こし」と「粒」があり、昔、木村屋と中村屋の取り決めには、「こしあんパンにはケシの実、粒あんパンには黒ごまをつける」という決まりがあったとの事。今では酒種ではなく、パン酵母を使用したものが多い。日本の饅頭の製法を合わせた和洋折衷の菓子パンには、白あんや芋あんを包んだものに留まらず、クリームパン(明治30年代、新宿中村屋創業者の相馬氏考案)やジャムパン(明治33年木村屋總本店3代目儀四郎氏考案)などにも進化した。
- 菓子パン生地を円錐形のコルネ型に巻きつけて焼き上げ、焼成後にクリームを詰めたもの。コロネ(またはコルネ)の由来は、角を意味するフランス語“corne”(コルネ)、英語の管楽器”cornet”(コルネット)から名づけられたと言われている。
- 一般に菓子パン生地の上にクッキー生地をかぶせ、格子模様などをつけて焼いたパンのことを言う。そして、円型のパンは一部の地域ではサンライズと呼ぶ場合もある。発祥自体は詳しく判ってないが、第一次世界大戦後の日本で作られ始めたという説、一方、サンライズの発祥は神戸市という説など様々。名前の由来は、形がメロンに似ている、メロンエッセンスを加えたからなど、これも多様である。