安心安全なパンとは|天然酵母、トランス脂肪酸。安心安全なパンには欠かせない大切な要素があります。ここではその大切な要素についてご説明します。 イーストフード

●イーストフードについて

おいしいパンを作る上で重要な工程の一つである「発酵」はパンのボリューム、風味などの品質に大きく影響します。
 イーストフードとはパン酵母(酵母菌 / イースト菌 / Yeast菌)が活動するための栄養源を意味する一括名(まとめた総称)です。発酵を助けるなどの目的で使用される食品添加物*の仲間になります。パン生地に使用することで、発酵状態を促進させてパン生地を膨らませる力を強化し、パンにふっくらしたボリューム感を与えてくれます。

*「イーストフード」という一括名の表示が認められている食品添加物は16品目あります。16品目の全てが厚生労働省に認可されたもので、きわめて安全性の高い身近な成分ばかりです。
16品目それぞれに使用基準等が定められ非常に高い安全性が確保されています。わかりやすいイメージで言えばミネラル類や塩類がほとんどです。ミネラルや塩類はパン生地がふくらむ元になるグルテン膜を強くしなやかにしてくれます。ミネラル成分が主ですので、カルシウム栄養強化やマグネシウム補強、カリウム補強など、栄養成分の補助・強化に使用されているものもあります。(高い安全性に関するお話はこちらへ

塩化アンモニウム、塩化マグネシウム、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム(無水)、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素ニアンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸―水素力ルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸三カルシウム、焼成カルシウム

 パン酵母が安定した活動をするためには生き物として様々な栄養源が必要です。
 パン造りに使われるパン酵母は生きています。単細胞微生物であり、生き物としては動物と植物の中間のような存在で、どちらかと言うと草木のような植物に似た細胞性質を持っています。そのため、生き物として生育に必要な3要素である窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)が、パン酵母の活動と生育にも不可欠となります。
 もともとパン生地中にはリンとカリウムはある程度十分な量が含まれていますが、特に窒素は少ないためイーストフード成分として添加することでパン酵母の発酵活動を強化してくれます。このように、イーストフードはパン製造するときに安定した高品質で、安心安全な製品をつくることに貢献しています。